ごあいさつ

同窓会会員の皆様におかれましては益々ご健勝で、ご活躍のこととお喜び申し上げます。 また、平素より同窓会活動にご理解を頂き大変ありがたく厚く御礼申し上げます。
2022年桜美林学園同窓会総会で会長に選任いただきました山本美浩です。
今年は3年ぶりに荊冠堂チャペルで対面による総会を開催致しました。また、「賀寿祝い礼拝」を200人近い同窓生をお迎えして、傘寿、喜寿、古希、還暦のお祝いすることができました。ウィズコロナの時代となり、感染対策を適切に講じつつ、社会活動、同窓会活動もしっかり進めるべく、日本全国、世界でご活躍される同窓生の皆様にご挨拶申し上げます。

桜美林学園は昨年2021年で北京崇貞学園から数えて100周年を迎えました。
1965年から1969年にキリスト教新聞に連載された、学園創立者清水安三先生執筆の「起きろ石ころ」には、「牧野虎次先生と満州(中国東北地方)の各地を巡遊した後、奉天の元ロシア武官公館を貸借し瀋陽教会を発足させた。教会の庭にブランコ、円木、滑り台などをこしらえ、児童館という看板をかかげた。毎日大ぜいの子どもが、この遊園に集まってくるようになった。中国人の子どもが三分の一で、朝鮮人の子どもが三分の一、それから日本人の子どもが三分の一であった。最初の事業は、子ども遊園のお守りだった。ポケットに櫛(くし)や塵紙(ちりがみ)をいれておいて、女の子の髪をすいてやったり、鼻汁を拭(ぬぐ)ってやるのが日課であった。子どもが負傷すると、コーチンをぬってやったり、メンソレータムをつけてやったりした。桜美林学園の前身は北京の崇貞学園で、さらにこの崇貞学園の創成期時代が、奉天の児童館だったといってもよいであろう。」という文章がございます。学園の創成は1918年の奉天、現在の中国遼寧省瀋陽までさかのぼることができます。崇貞学園は現在、陳経綸中学として、北京の本校は2,000人を超える全国でも有数の進学校になっています。その校庭には、清水安三先生の胸像が設置されています。広い中国でも日本人の胸像が置かれている学校は他にはないでしょう。

桜美林学園同窓会は、清水安三・郁子の建学の基となるキリスト教精神「学而事人」の教えに基づき、会員相互の親睦を図ると共に母校の発展に寄与することを目的としています。同窓生数は今年3月で11万8千人を超えました。この2年間はリアルによるイベントや全国地域支部会は中止、延期となりましたが、コロナ禍の影響で学業の継続が困難になった学生を救いたいという卒業生の強い思いから誕生した、「オールオビリン未来ファンド」に、同窓会として合計1,200万円の寄付を行い、100名を超える学生の「学業継続奨学金」原資の一部とさせて頂きました。また、同窓会活動の理念と目的の明確化等一部会則の変更、同窓会各種規程類の見直し・整備を行いました。
また、学園創立100周年を記念した同窓会記念事業は、同窓会設立65周年記念誌の作成(7月完成)、桜の園日本一計画では、昨年度158件の個人、団体から238万円を超えるご寄付を頂き、「神代の曙」「河津桜」「ウコン桜」など7種類の桜、64本の植樹が完了し、ご寄付頂いた皆様の銘板をチャペル横に設置致しました。本プロジェクトは今後も継続していきますので、引き続き皆様のご寄付をお願いいたします。その他に「石ころ庵修復・復活の丘プロジェクト」、「中国北京陳経綸中学訪問ツアー」、「清水安三先生関連書籍感想文コンクール」を継続取組中です。

今年度の学園同窓会は、資産保全、社会的な信用、ガバナンスの構築、強化が求められる中、責任ある組織体制への進化を目指し、「法人化の検討」、また、すべての同窓生に向けた機関紙の発行、親睦会の開催、学園支援の原資となる「同窓会費・特別会費」の金額、徴収方法の検討、そして、会則目的に掲げている「母校の発展に寄与する」ためには具体的にどのような方法があるかを考え、具現化の検討に取り組んでまいります。

先輩方が築かれてきた同窓会66年の歴史の重さを受けとめ、オベリンナーとして誇りを持ち、同窓会の機能や同窓生のネットワークを存分に活用し、母校と地域社会を含めた社会貢献の一躍を担えるよう、「学而事人」の精神で魅力ある活動を進めていきたいと思います。
同窓生の皆様におかれましても、これまで以上に同窓会活動に関心を持っていただき、実施されるイベントに積極的に参画していただくことで、母校の発展に寄与できるよう、更なるご指導、ご協力をお願いして、会長就任のご挨拶とさせて頂きます。
第13代会長                 
山本 美浩(1986年度大学中国語中国文学科卒)