お世話になった先生

伊藤 隆吉先生

中学校・高等学校
1972年4月~2015年3月勤務

近況報告

 ー雨だれ石を穿つー
四時起床。六時朝食。七時高校生と朝稽古。十時から町田のジムで一時間十五分のトレニング。昼食後一時間ほどの昼寝。(この時が退職した事を実感する時です)その後四時からの高校生の稽古に出るか、六時からの大学生の稽古に出るか、どちらかです。そして夜は、近くの正念塾の道場で月曜は杖道・金曜は居合道・土曜は剣道の指導があります。止戈徳館で八回、正念塾で三回、一週間で十一回の稽古に励んでおります。その他、全剣連・東剣連・神奈川剣連・日体大の稽古が月一回入ります。これが小生の日課であります。退職後の時間をどうやって過ごそうか、と考えていたことは取り越し苦労となってしまいました。

桜美林での思い出

桜美林での思い出は沢山あります。赴任してすぐの始業式の後で剣道部員を集め、みんながついてきてくれるなら全国優勝させてやると明言したこと。プールがあった頃、二日酔いの時は朝イチで飛び込んでいたこと。校舎に池があって、泳いでいた鯉をOB達と鍋にして食ってしまったこと。スキー教室で毎年のようにケガをしてしまったこと。インターハイ優勝・準優勝・三位(個人三位も)と関東大会優勝八回は思い出深いものであります。
そして何よりも一番の思い出は全国優勝の後、全剣連から派遣されてメキシコ剣道指導で一年間の海外生活を送ったことで、家族四人いつも一緒でした。

その後も中南米三ヵ国、南米四ヵ国と短期で派遣されました。また各国からの招聘で北欧からヨーロッパと全部で三十ヵ国くらい、二月はハワイにも剣道・居合道・杖道の指導で回りました。寝ても覚めても剣道オンリーの生活でした。

教え子へのメッセージ

人間が三百年も生きられるのであれば、縦にも横にもブレて処世術を使ってずる賢く生きる手もあるだろうが、いかに日本が世界一の長寿国とは云え、たかだか八十五年である。それならば、ブレない人生を生き抜く。これが私の原点である。
教え子達も、このスピードアップされた世の中、選択肢の多い今の時代、いろいろ大変ではあるがいい意味でのプライドを持って、そしてどちらが正しいかではなく、何が正しいか、を一番に考えて生きて行ってほしいと願っています。
創立者清水安三先生から頂いた掛軸「今一度生まれ来たならば今一度 同じ生涯 生きむとぞ思う」。これが創立者のすごさである。

桜美林学園剣道部師範 伊藤隆吉 著書

『全国優勝は一回だけでいい—勝つ心を鍛える—』(恵雅堂出版)
『淑として凛—花には水を人には愛を剣には心を—』(島津書房)

(2017.05.29)

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