重点礎石 1: グローバル時代における教育の深化

わが国は、グローバル化の波のさなかにある。グローバル化とは、情報が瞬時に地球規模で共有され、国や地域の持つ意味がより小さくなっていくことを指す。今日では、人も物も、地球規模でより自由に移動するようになっている。経済的価値は、国境を越えて移動し、何らかの活動をしようとすれば、多かれ少なかれ世界標準に従っていかざるを得ないことも事実である。

しかしながら、年齢、性別、国籍、民族、宗教、言語、貧富などの多様性は、依然としてそこに残っている。グローバル化の時代には、さまざまな人が一緒になって何か一つのことを追求していく機会が増えるのも明らかである。

言うまでもなく、国籍が違うから話はしない、年齢が違うから一緒に働けない、などということを言っていては何も実現できない。

崇貞学園において創立者清水安三が実践した教育は、中国人、朝鮮人、日本人などが集まる学校での教育であり、そこでは、まさに国境を越えた先駆的な教育が展開されていた。

社会はこうしたグローバル化の時代のリーダーを求めている。価値観も言語も違う々を仲間としてまとめ、一つの目的のために活躍できるようなコミュニティや組織を作れる人材が求められている。

これは、しかし、一つの規範の中に人々を縛りつけようという統率型の人材ではない。

他者を思い、他者のために尽くそうとする行動が、他者を惹きつけ、結果として多くの人々のベクトルを合わせていくような、そのような行動をする人材である。

私たちが育て、社会に送り出すべき人材は、まさにこのような人材である。多様を極めるグローバル社会にあってもしっかりと他者に尽くすことのできる人材であると言えよう。次期中期目標においては、こうした人材を多数輩出することを目標に掲げ、できることを全て実行していく。このために、次の6点を重要課題として設定する。

1. 徹底した教育の実践

先進の教育技術を積極的に取り入れ、教育環境を整備し、効果のある教育を徹底する。また、教育効果にこだわり、その「見える化」を実現していく。

2. システマティックな教育プログラムの構築

社会のニーズを把握し、それに沿った論理的・構造的な魅力ある人材育成プログラムを設定する。また、総合学園として設置校間の連携教育システムの確立を目指す。

3. 主体的に行動する学生・生徒の育成

正課および正課外で、学生・生徒が自ら考え、主体的に行動し、そのような行動に彼らが喜びを見い出すような機会を提供していく。

4. 研究力の強化

私たちが目指す人材育成のための研究活動を活性化し、教育力を高める。

5. 卓越したブランドの構築

設置校ごとに鮮明なブランドイメージを確立し、他校にない特色を果敢に打ち出していく。

6. キャリア教育・進路指導の充実

男女共同参画社会を推進できる人材を数多く輩出することを目指す。また、多様な進路に対する支援体制を整え、特にグローバル企業への就職支援をさらに充実させる。

基本計画:大学

1. 言語や文化を越えて協働できるグローバル人材の育成

グローバルに活躍できる人材育成のため、基本となる語学教育や留学制度、海外研修を充実させ、さらに、異文化社会に関する学習や他者の立場に立ったコミュニケーション能力の修得を実現できる教育課程を構築する。
各学群の専門教育の中でグローバル人材の育成を組み入れていく。

2. グローバル教育に還元する研究の推進

グローバル社会においては、個別の国家や民族、文化、社会では解決できない課題や問題が発生しており、本学は国際的な研究拠点として、そのような課題や問題に取り組み、教育に還元する。総合研究機構、各研究所、学系等が連携し、研究上の成果を継続的に産出できる仕組みを構築する。

3. キャンパスのグローバル化とモビリティの推進

外国籍および外国の大学で学位を取得した教職員等を全体の25%程度まで増やし、多言語で仕事ができる環境を作るとともに、学生のモビリティを高め留学生比率も25%程度になるよう、カリキュラムやプログラムを整備する。短期留学生用のプログラムのみならず、学士課程に在籍する留学生数も増加させる。

基本計画:中学校・高等学校

1. 実践力のある国際人の育成

韓国、中国、米国、オーストラリア、ニュージーランドにある協定校との相互交流を、より積極的に推進することと併せて、ユネスコスクールへの加盟申請に伴い、協定校との間でテーマを設けた教育交流も行い、持続可能な開発のための教育(ESD)の充実も図る。

2. 心豊かで、基礎学力・問題解決能力のある生徒の育成

キリスト教主義を基本とした教育を基に、中等教育段階で備えておかなければならないコミュニケーション力や問題解決能力を養い、これからの社会、国際社会が求める生徒を育成する。

3. 教員の資質向上のための研修制度の充実

高大接続の新しい動きに合わせて、教育課程の見直しが求められてくる。時代に即した教育を行っていくためには、教員の資質が大きく問われることとなるので、そのための研修制度の充実を行う。

基本計画:幼稚園

幼稚園:お仕事のおうち
(モンテッソーリ教育)

1. モンテッソーリ教育の充実

  1. 本園の特長を効果的に打ち出す。
  2. 幼稚園教育要領で「幼稚園教育」の基本と位置づけられている、園児の「生きる力の基礎」となる確かな学びにつなげる。
  3. モンテッソーリ教育の質を高め、カリキュラムの充実を図る。
  4. 専任教員対象の園内学習の継続。

2. 未就園児クラスの拡充

  1. 月1回開講していた未就園児クラスを、週1回開講する。
  2. 限られたスペースと人員を可能な限り調整し、在園児の教育に影響を及ぼさないプログラムを構築する。