格付け情報

本学園は、本学園が取り進めている教学面での改革や施設設備の充実策を含めて、学園経営における財務的な面での健全性を第三者機関の評価を受けることにより客観的に把握するとともに、今後の学園運営における一つの重要な指標として活用していくことを目的として、格付を取得しています。

継続的に第三者機関の評価による格付の結果を広く学園外に情報公開し、本学園の直接的な関係者の方々のみならず多くの方々に本学園を具体的にご理解いただくことは、本学園が「社会に対する説明責任」を果たしていくことにも繋がると考えています。

株式会社日本格付研究所(JCR)による長期発行体格付(2024年4月2日)

学校法人桜美林学園は、このたび株式会社日本格付研究所(JCR)による格付を次の通り取得しました。

■格付対象

発行体:学校法人桜美林学園

【見通し変更】

対象:長期発行体格付
格付 :A
見通し :ネガティブ

【格付事由】

  1. 1946年設立、キリスト教主義の教育による国際的人物の養成を建学の精神に掲げる学校法人。桜美林大学を中核とし、幼稚園、中学、高校を設置する。全設置校の在籍者数は約1万2千人。大学は、町田キャンパスを中核に複数のキャンパスを構え、学群制に基づく特色ある教育を展開する。近年、キャンパスの整備、学群の移転と開設を進めて、学群の拠点化や収容定員の拡大を図ってきた。19年に新宿キャンパス、20年に東京ひなたやまキャンパス(町田市)を開設し、それぞれの地域特性に応じた学群を移転。また、20年に多摩アカデミーヒルズ(多摩市)に航空・マネジメント学群を、23年にはプラネット淵野辺キャンパス(相模原市)に教育探究科学群を開設した。
  2. 収入の中核である大学では、入学者の確保に大きな問題は生じておらず、当面、安定した学納金収入を確保できると想定している。学校法人として財務体質に改善余地は大きいが、健全なキャッシュフロー・サイクルを維持できると考えられることから、格付を据え置いた。一方、学生の募集環境は厳しく、今後の志願動向には不透明感が強まりつつある。また、中高新校舎の構想などが具体化すれば、財務基盤への負荷が高まる可能性がある。そのため、見通しはネガティブとした。学生募集の安定化と財務体質の健全化が図られるか見定めていく。
  3. 国内18歳人口の減少や受験生の年内入試志向などを背景に、志願者数の減少が続いている。一時 2 万人超まで増加した志願者数は、24年度入試では約1万3千人となった。総合型と学校推薦型で入学定員の過半を占める状況などから、大学全体では一定の入学者を確保できる見通し。ただし、入学定員を満たせていない学群も散見される。募集環境が悪化する中、適切な合意形成と施策遂行が重要になるが、本学はガバナンスに課題を抱え、23年度の私学助成金の減額措置を受けている。すでに改善計画プロジェクトチームを中心に改善に向けた取り組みを進めているため、4月に発足した新理事会の下でのガバナンス、改善計画の実効性に注目していく。
  4. 近年の大規模投資による財務基盤への負荷は大きい。23/3期末の運用資産約130億円に対し、有利子負債残高は約240億円である。収入に一定の安定度が認められ、借入金の返済期間も長期にわたるため、安定的な債務償還が可能と想定される。ただし、基本財産の維持更新に向けた資金蓄積は十分でない。中高の新校舎など投資計画が具体化した場合には、新たな資金調達の可能性もある。