昨夏、フェイルド博士は、来朝に先立って、加州から前ぶれ的に『この度、シャン・オベリン財団から派遣せられて、桜美林学園を訪問する。その目的は従来、あちこち国々の学園を応援してきたが、今後は集中的に何れかの一校をぐいと力を打ち込んで応援したいから、何れの学園が援助に値するか視に行く』という書状を寄せられたので、私達は緊張を以て伺博士をお迎えすることにした。(「復活の丘第3号」参照)
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私共はシャン・オベリン財団が集中的に助成金を呉れるならば、第一教職員の給与を、公立学校同程度又はそれに近い程度に引き上げること。第二に十年計画で以て、校舎をコンクリート化することであった。先ず短大校舎、次は高校、次は中学部、それよりジムナジアム、ライブラリイ、チャペル、プール次から次へと建築し得る計画であった。年5万$の助成があれば十年後の桜美林はすばらしい学園になるプロゼクトであった。
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